どうもこんにちは、根岸です。
今回は15話目で一旦終わりとさせていただきます。
ビューワー取り付けアダプターについて
製作したテレシネ機を実際に使ってみて、最初にフィルムを装着する作業が少しやりにくかったのでビューワーの固定方法を改善してみました。実はYoutube動画でご紹介した時はこの「ビューワー取り付けアダプター」を使用しています。
(ビューワー取り付けアダプターを使用したセッティング)
ビューワーを固定するのに当初は両面テープでスマホに貼り付けていたのですが、両面テープそのものに少し柔軟性があるため、マクロ撮影の画面ではそのわずかな動きが拡大されて不安定感があるのが気になります。
またフィルムを通す時にスマホを固定したままだと難しいので、テレシネ機からいったん外した状態でビューワーにフィルムを通すのですが、スマホには電源やシャッターリモコンが接続されているので一体化していると作業しにくいのです。
(ビューワー取り付けアダプター)
これを改善するため、スマホに合わせて作ったビューワーの固定が簡単にできる位置決め用のアダプターを3Dプリンターで作ってみました。
アダプターとビューワーのはめ合わせはかなりきつめなので、はめ込んだだけでも固定されています。取り付けアダプター自体はFDM方式の3Dプリンターで出力したPLA樹脂製なのでかなり硬質な感触です。このアダプターにスマホを止まる所までスライドさせて取り付ければ、スマホのカメラとビューワーのレンズの位置は自然に正しい位置に決まります。
設計はiPhone5s用ですがおそらくiPhone5でも使用できると思います。
スマホ取付け用アダプターの3Dプリンター用stlファイルは下記のリンクからダウンロードできますので、ご自由にご利用ください。
https://firestorage.jp/download/871722d36e3b87c7df89346e0d24f4f37c42a872
「スマホでテレシネ」を作ってみて
スマホを使ったテレシネ装置の製作は以上です。
映写機を作るのに比べれば精密さは要らないとはいえ3Dプリンターがなければ実現するのは難しかったと思いますが、使わなくなったスマホを再利用していますしそれ以外の部品の費用は驚くほど安いので、市販の8mmフィルムのデジタル変換器を買ってくるよりもコスパは良いのではないかと思います。
欠点は、やはりシャッターが切れるタイミングのばらつきがコマのブレに直接影響するという点のような気がします。これもパソコンを使ってソフトウェアによるブレ補正まで行えば現状でも充分実用的なレベルだと思いますが、最後までスマホだけですべて完結させるというのも面白いテーマなので、手ブレ補正の機能を持ったスマホ用の良い動画編集アプリがあれば試してみたいと思います。
画質に関しては、今回使ったStop Motion Studioでも課金をすることで4Kまでの高分解能の動画が作成できるようです。(ただしiPhone5sのカメラは800万画素なので実際4Kで撮影できるのはiPhone6s以降の機種になるはずです。)高画質にするとそれだけ画像のデータ量が増えますから、撮影可能なコマ数やテレシネの速度には影響が出るかもしれません。
スマホのカメラやアプリは現状でも十分な性能だと思うので、画質改善にはスマホ側よりも、むしろビューワーのレンズのグレードアップを先に試すべきだろうと思います。
まだまだ改善の余地があるので、今後もこの装置の高画質化に取り組んでいこうと思います。
それではまた!!