スマホでテレシネ

「スマホでテレシネ」を作ってみる(5)

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どうもこんにちは、根岸です。
今回は5話目でございます。

前回はスマホ部分の構成について、ご説明いたしました。
今回は 再度パーツの解説へ戻ります。

4.「ギヤボックス」と「モーター」

テレシネ機の動力として使っているのはTAMIYAの「4速ウォームギヤボックスHE」と、付属の260タイプのモーターです。

https://www.tamiya.com/japan/products/72008/index.html

8ミリフィルムのコマはとても小さく、フィルムの動きは非常にゆっくりにする必要があるのでギヤ比の設定は最低速の[1428.2:1]で組み立てました。

モーターの回転方向は配線でもスイッチでも自由に変更できますが、ギヤボックスの出力軸の先端にあるM3ネジを使うので、モーターがフィルムを引っ張るときにそのM3ネジが勝手に緩まない回転方向にする必要があります。上の写真のレイアウトではフィルムを左のリールから右のリールに巻取りますが、そのときフィルムは出力軸の「上」を通すことになります。

ギヤボックスの取付け方法も、説明書や箱の絵ではモーターが水平になっているのですが、マウント部品の位置を変更してモーターの端子が上に向くようにしました。これは出力軸の上をフィルムが通るので、取り付け面からの軸の高さをなるべく低くしたかったためです。ギヤボックスはベース板に小さな木ネジで固定しますが、ベアリング等フィルム送り機構のほかの部分の加工が済んでからの方が良いでしょう。出力軸の反対側は金ノコで短く切り落としましたが特に邪魔でなければそのままでもいいと思います。

付属のモーターの標準電圧は3Vです。
フィルムを動かす部分はすべてこのギヤボックスに合わせて設計したので、他のギヤボックスを使用するにはそれに合わせた再設計が必要になってくるでしょう。

5.フィルム送り機構

「キャプスタン」と「ピンチローラー」

キャプスタンとピンチローラーは、一般にテープレコーダーでテープを動かすために使われる機構です。テープレコーダーでは金属製の「キャプスタン」と呼ばれる回転軸がモーターによって回転し、そこにゴム製の「ピンチローラー」を押し付けて、間にテープを挟んでテープを動かします。
今回の装置でもそれと同様の仕組みでフィルムを動かしますが、手持ちの材料の都合で、ウレタンゴム製のキャプスタン(と言うよりはゴムタイヤ)をモーターで回転させ、そこにプラスチックのピンチローラーを押し付ける形にしています。

ギヤボックスの出力軸はそのままでは細すぎるので、軸の先端にあるM3ネジに、M3両メスねじつきの丸型スペーサーを取り付けて延長します。同様のスペーサーの形や材質には六角形のものやプラスチック製など色々なものがあると思いますが、今回使用したのは黄銅ニッケルめっきの丸型スペーサーで外径は6ミリ、長さは35ミリです。

上の写真ではこの金属製のスペーサーに黒い熱収縮チューブを被せて、さらに外径が12ミリのポリウレタン製のワッシャーを通してゴムタイヤのような状態にしています。

8ミリフィルムなのでワッシャーの幅も8ミリあれば良いのですが、たまたま手持ちのウレタンワッシャーの厚みが5ミリだったため2個使って10ミリにしました。ワッシャーの内径は6ミリですがそのままではスペーサーとの間が滑る感じだったので、スペーサー側にに熱収縮チューブを被せて少し太くしてからワッシャーを嵌めてあります。モーターが回転すると、このウレタン製のタイヤがゆっくり回転するわけです。

タイヤの材質に関してはサイズが近ければシリコーンゴムのチューブやゴムブッシュなどでもべつに構わないと思います。ただし黒いゴムだと物によってはフィルムが汚れる可能性があるので気を付けます。

左の写真でタイヤの縁が削れたようになっているのは、その方がフィルムの走行が安定するのではないかと考えて削ったためですが特に効果は無かったので不要だと思います。

巻取りリールの駆動

今回はフィルムを動かすモーターの回転軸の先端にプーリーを取付けて、そこにベルトをかけてひとつのモーターでフィルムを巻取るリールも回します。
テープレコーダーのキャプスタンの場合は回転する軸の根元だけが軸受けで支えられていて先端には何もついていませんが、今回のように軸の先端にベルトのテンションがかかるとギヤボックスの軸受けにかかる負担も大きくなると思われるので、耐久性も考えてスペーサーの先端をベアリングで支えることにしました。

使用したベアリングは「小径玉軸受け」と呼ばれるもので、内径6mm、外径12mm、幅4mmの両側シールド型です。手元にあったものを使いましたが内径がスペーサーに合っていれば外径のサイズにはこだわらなくてよいでしょう。ただしベアリングがあまり薄いと取付けしずらいので、厚みがあって軽く回る両面に金属板がついたシールド型のものが向いています。

MDFには初めは6.5ミリくらいの穴をドリルであけて、そこからスペーサーの先端が中心に来るように加減しながら、シャーシリーマーやカッターナイフなどでベアリングがぴったりはまるサイズの穴に加工します。あまり穴が大きすぎるとベアリングがしっかりはまらず支えとしての意味が無くなってしまいますから、きつめの所にベアリングをぎゅっと押し込む感じになるように慎重に作業します。微妙な作業なので、うまくいかない場合は3Dプリンターでベアリングを固定するためのフランジを作ると良いかもしれません。

ベアリングが付いたら、スペーサーの先端にM3ねじでフィルム巻取りリールを回すための小さなプーリーを取り付けます。今回はタミヤのプーリーセットに入っていた外径11ミリほどのものを使いましたが、3Dプリンターがあればこれも自作することは容易だろうと思います。リールを回すのに使用するのは2ミリのウレタンベルトなので、ベルトの仕様上はこれではプーリーの直径が小さすぎるのですが、ここはむしろ意図的にスリップさせたい用途なのであえて小さいものを使用しています。

 ピンチローラーのアーム

ピンチローラーは丸型中空のPOM(ポリアセタール)製M4ねじ用スペーサーで、ジュラコンカラーと呼ばれることもあります。長さ12ミリで、外径は約8ミリあります。

ピンチローラーの軸は鉄製のM4六角穴付ボルト(キャップボルト)で、秋葉原の西川で入手しました。必要な長さは25ミリ程度なのですが、その長さのボルトだと全長にわたってネジが切ってありました。今回はピンチローラーの軸にネジ山の無い滑らかな部分を使いたかったので、呼び長さ35ミリのボルトを全長27ミリほどに切り詰めました。ボルトの首下のネジを切っていない部分は13ミリほどあります。
ピンチローラーの両側にはフィルムの側面が当たっても良いようにM4ワッシャーを入れました。

グレーのロ型のパーツは、フィルムを通過させつつ、スピンドルにピンチローラーを押し付けるためのアームで、3Dプリンターで作ったものです。
アームを動かす支点は、ギヤボックスの固定用パーツ取付け穴に3mmのステンレスシャフトを貫通させて作りました。ギヤボックス側の穴がちょうど3ミリシャフトがぎりぎり入るサイズだったので、差し込んだ状態で特に固定しなくても抜けませんでした。

ピンチローラーに圧力をかけるにはアームの穴にゴムを通して両端をベース板に固定し、下向きに引っ張っります。
この部分は金属製の引きばねにした方が安定した張力と耐久性があると思いますが、どのくらいの強さで引っ張るのが最適なのか事前に分からずバネを選べなかったので手近にあった普通の輪ゴムを何本か束ねて使っています。どこにでもあるゴムなら実験しながら強さを調節するのもやりやすいですし、写真のような取付方法にしておくと後でゴムを捩じって少し強さを増すこともできます。

ローラーを取り付けるアーム部品の3Dプリンター用データを用意しましたのでダウンロードしてご利用ください。

http://xfs.jp/tLv5J

参考入手先

M4キャップボルト、ワッシャー等
ネジの西川電子部品 東京都千代田区外神田1-9-9 内田ビル

ステンレスシャフト(レインボープロダクツ製)、ギヤボックス、プーリー(タミヤ製)
千石電商 東京都千代田区外神田1-8-6丸和ビル

今回のお話はここまで!

 

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