スマホでテレシネ

「スマホでテレシネ」を作ってみる(1)

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どうもこんにちは、根岸です。
先日紹介したスマホでテレシネする装置ですが、想像以上の反響で驚いています。

今後パーツごとに詳細を説明していく予定ですが、こちらのブログでも製作工程等紹介していこうと思います!!

 

テレシネとは

テレシネとは昔のアナログテレビ放送の時代からの用語で、テレビ(tele)で映画(cine)を放送するための変換のことです。当初はもちろんアナログからアナログへの変換で、VTRの無かった時代にはテレシネしたビデオ信号はそのままリアルタイムに放送されていました。
現在ではアナログテレビ信号を扱う機会が無くなったため、主にフィルムに記録された映画をDVDや動画ファイルなど各種のデジタル映像に変換することをテレシネと呼びます。

 

動作のしくみ

モバイルビューワーで8ミリフィルムのなかの1コマを静止画で撮影できるようにした状態のまま、モーターを使ってゆっくりとフィルムを動かします。動いているフィルムのコマがちょうどビューワーの画面の中央に来た瞬間に1コマ静止画を撮影します。
これをくりかえして撮影した一連の静止画をパラパラ漫画のようにつなげて動画ファイルにします。
モバイルビューワーは、3Dプリンターで作ったスーパー8フィルム用の簡単なビューワーです。スマートフォンを利用した携帯型のビューワーですが、このようなタイプの道具は昔は存在しなかったのでモバイルビューワーと名付けました。

 

製作のポイント

● テレシネ変換時のスピードは主にスマホの性能によって決まります

今回は撮影のためにスマートフォンを使います。最近のスマホには連写機能がありますが、テレシネ機のカメラとして使う場合は多数の静止画をスマホ側のタイミングで勝手に連写するのではなく、フィルムが目標の位置に来たタイミングで1コマずつ、毎回確実に撮影する必要があります。
この場合1コマごとの撮影後にスマホ内部のストレージに書き込みが終了するまで多少時間がかかる前提で動作を設計する必要があります。もしも次の撮影が可能になる前に未撮影の1コマが通り過ぎてしまうと、できた動画がギクシャクしてしまいます。
このことからテレシネの速度はフィルム1コマあたり1~2秒以上かかるというのがおおよその目安になりそうです。3インチリールに巻かれたスーパー8フィルムはおよそ3,800~4,000コマあるので、変換には最速でも1~2時間かかることになります。

● フィルムは一定のスピードで動かします

映画を撮影するカメラや普通の映写機はフィルムのふちにある「パーフォレーション」と呼ばれる穴を利用してフィルムを間欠的に動かします。間欠的とは、ぴったり1コマ分だけフィルムを動かし、その後しばらくはフィルムの動きを止めて、また1コマフィルムを動かすという動きです。これは映画という技術の最も基本的な部分ですが、今回は映写が目的ではないので連続的にフィルムを動かしながらテレシネを実現する方法を考えてみました。

フィルムを動かすのに一番シンプルな構造は、巻取りリールの軸にモーターを取り付けて回転させ、フィルムを引っ張るという方法。しかし巻取りリールを一定の回転数で回しても巻き取るにつれてフィルムの直径が次第に大きくなるので、そのままではフィルムの動く速度はどんどん速くなってしまいます。
この方式の場合フィルムの速度がいちばん速くなるのは「フィルムが終わる頃」になります。変換する対象のリールサイズを現像したままの3インチリールに限るとすれば、最大直径も限定されるので適切なリールの回転速度は計算できますが、最高速を1コマ1~2秒とすると巻き始めはそれよりもさらに遅くなってしまいます。もっと大きなリールに対応するにはもっと遅くリールを回すことになり、だんだん現実的な方法ではなくなってきます。

リールによる駆動方式でも、リールを回すモーターの回転速度を電子的に制御するハードウェアを追加すれば速度のロスなく各種サイズのリールに対応することも不可能ではありません。ただし大きなリールを回してフィルムを動かすためには、それなりにトルクのある(パワフルな)モーターが必要になり、そのモーターの速度を制御するハードウェアも大がかりなものが必要になってきます。

色々と検討した結果、構造は多少複雑になりますが今回はテープレコーダーのように「キャプスタン」と「ピンチローラー」でフィルムそのものを一定の速度で移動させるメカニズムを考えました。

 

● バックライトが必要

モバイルビューワーは薄いプラバン越しの部屋の明かりをそのまま利用して、フィルムを透かして見るようになっています。ひとコマだけを見たり撮影するにはこれでも問題ないのですが、たくさんのコマを連続して撮影して動画にする場合、スマホの向きや周りの人の動きなどで明るさが変化すると動画の画面が明るくなったり暗くなったり不安定になってしまいます。
変換作業のあいだはできるだけ明るさが変化しないように周囲の光をシャットアウトして、その代わりに一定の明るさでフィルムを照明するバックライトが必要になります。

 

● フィルムの動きにシャッターを連動させるには

人間がスマホの画像を見ながら手動でシャッターを切るということも不可能ではありませんが、とても忍耐が必要でしょうし、シャッターのタイミングを毎回正確に合わせるのも至難の業。そこでフィルムのふちにある穴(パーフォレーション)を頼りにシャッターを切る方法を考えます。
8ミリ映画を撮影する時のカメラの内部では、フィルムの穴に金属製の爪をひっかけて1コマ分動かすという動作をくりかえしています。8ミリの場合はフィルムの穴ひとつにつき画面はひとコマと1対1で対応しているので、動いているフィルムの穴をうまく検出することができれば、ちょうど良いタイミングで自動的にシャッターを切ることもできるはずです。

 

● 静止画を動画に変換するアプリ

通常のカメラアプリで静止画を撮影したあと、パソコンに転送して特殊なソフトを使えば連番でファイル名をつけた大量の静止画から各種形式の動画を作成するということも可能ですが、あまりお勧めはできません。通常のカメラアプリは静止画撮影の設定が自動になっているのでテレシネの用途には向かないですし、パソコンのソフトを扱うのも多少専門的な知識が必要になります。
ところがスマホにはカメラが内蔵されているおかげで「コマ撮り動画」(ストップモーションアニメとも言う)を撮影するためのアプリというものがあります。
スマートフォンの容量はあまり大きくないですから長時間の動画を作るのには限界がありますが、実はストップモーションアニメの作成に必要な機能はそのままテレシネが必要とする機能なのです。このアプリを使えばカメラの設定を自動ではなく手動で細かく行うこともできますし、静止画の撮影から動画の作成までのすべての操作をこのアプリだけでできるので、まさにテレシネにぴったりのアプリと言えます。このアプリのおかげでパソコンを使うよりもはるかに手軽にテレシネが可能になります。

 

次回から何度かに分けて順次製作の内容についてご紹介します。

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