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ELMO SC-18の修理をしました!【切替スイッチ交換編】

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こんにちは!根岸です。

前回に引き続き、ELMO SC-18の修理についてご紹介してみます。
今回は切替スイッチ部の交換です。

【修理】人気8ミリ映写機が復活!?不調のsc18切替スイッチを交換。動作チェック方法・分解・組み立てを一挙ご紹介【ELMO Hi-Vision SC18】

動画内で詳細はブログへ!と案内した箇所です(笑
それでは交換していきましょう!!

ELMO SC-18の修理 スイッチ交換

 

SC-18のコントロールスイッチは、レバーを回したとき回転するカムと、そのカムの表面の凹凸によってON/OFFするマイクロスイッチを3つ組み合わせたものです。
この形式のコントロールスイッチは映写機ではポピュラーなもので、ELMOの16ミリ映写機もほぼ同じ構造になっています。

上の写真を見るとスイッチとスイッチの間に2枚、さらにスイッチと表側の鉄板の間に1枚、茶色いシートが挟んであるのがわかると思いますが、これはスイッチの端子同士や鉄板との間がかなり近いためショート等の事故を防止するため入れられたセパレータ(絶縁板)です。

セパレータは普通のビニールやプラスチックではなく、温度が上がっても溶けたりせず簡単には燃えない材料で作られています。

この映写機で使われているものは昔の真空管式アンプなどでよく使われていた「エンパイヤチューブ」と似た材質で、繊維を織った布に絶縁ワニスをしみ込ませたもののように見えます。

この製品ではセパレータがスイッチや鉄板に挟まれたサンドイッチ状態になっていて、それが長いネジで締め付けられています。おそらくそのせいもあって、長い時間の間に徐々にワニスがにじみ出し、スイッチの中にまで入り込んでしまったのでしょう。

映写機の状態が良いので不具合の原因がここだけであればスイッチを交換すれば修理できそうです。

配線はスイッチにハンダ付けされているので、この部分は新しいスイッチを使って配線しなおさなくてはなりません。映写機の機種によっては修理のためのサービスマニュアルが手に入るのでそこに回路図も載っているのですが、この機種のサービスマニュアルが見つからなかったので、まずは元に戻せるように現状の配線を調べました。

スイッチ周りの配線は上の図のようになっていました。SW1とSW3はモーターの速度制御基板とモーターの間に挿入されていて、モーターの正転、逆転、停止を切り替えます。
SW2は電源のトランスとランプのソケットの間に入っていて、ランプのオン/オフを切り替えるスイッチのようです。

コントロールスイッチを分解するには3本の長いM3ネジを外します。
2枚の鉄板に挟まれたモジュールごと外したほうが作業はしやすいと思いますが、裏に音声部と連動する機構があるので、それに触らないで済むように今回は手前の鉄板とスイッチだけ外しました。

下側の1本は2枚の鉄板を平行に支えるアルミのスペーサーを貫通しています。こちらは取りやすいでしょう。
上側の2本の長いネジはスイッチを貫通して束ねていますが、セパレータのワニスでくっついて取れにくいかもしれません。スイッチと奥の鉄板との間には、アルミのスペーサーに厚みを合わせるためのワッシャが数枚はさんであるのが見えると思います。元の状態をよく見てネジを外したとき失くさないようにワッシャを取っておきます。
ネジは3本とも反対側はスプリングワッシャとナットで止まっていますから、ナットが回らないように小さなラジオペンチなどで押さえてドライバーでネジを外します。

鉄板を外すときスチールボールにも注意してください。上の写真はネジを3本とも抜いて表側の鉄板を持ち上げたところです。レバーの軸のまわりに5個の穴があります。そのひとつに小さなスチールボールがはりついているのが見えると思います。

ボールは運が良ければグリスでくっついているはずですが、ネジを外したとき勝手に落ちて転がっていくかもしれません。作業中に失くさないように安全な所に保管します。

回転するカムには深い穴があいていて中にスプリングが入っています。スプリングがボールを常に鉄板に押し付けているので、鉄板側の穴にボールがはまり込む位置でレバーが「カチッ」と止まる仕掛けです。部品を失くすと正しい位置でレバーが止まらなくなります。

スイッチはかなりひどい状態です。鉄板の汚れはアルコールで溶かして取りました。
使われているスイッチはオムロンのVシリーズのマイクロスイッチです。今回は電気的な仕様を満たす現行商品の「V-15-1A5」にすべて交換します。

新しいスイッチはファストン端子用なので、ハンダ付けではなく絶縁端子を使用しました。

組み立てるときにスチールボールを元の場所に入れるのを忘れないでください。この作業は穴にグリスを入れておいて、その上にボールを乗せるとグリスでくっつくのでやりやすくなります。

絶縁端子を使ったのでショートする恐れはまず無くなったのですが、元の状態と厚みを合わせる必要もあるので新しいセパレータを作りました。「ノーメックス」という絶縁性に優れた難燃性のシートで手作りしたのですが、とても丈夫な素材なので穴をあけるのが少し難しかったです。
セパレータはわざわざ手作りしなくても、マイクロスイッチ用のオプションとして市販品もあり、納期は多少かかるかもしれませんが安価です。
オムロンの型名は「形SEPARATOR FOR V0.25」というものが適合します。

元の状態と同じようにスイッチを少し浮かせるワッシャを入れ、セパレータをはさんでスイッチを組み立てなおします。

組み立てなおすときにスイッチを重ねる順番は重要です。
ハンダ付け端子から絶縁端子に変わった分、配線が出っ張るので電線のまとめ方に配慮が必要になりますが、カバーはぎりぎり被せることができました。

電源を入れてテストしたところ、無事に映写が可能になりました。

 


 

はい、こんな感じで無事修理できました!!

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それではまた!!

 

その1 映写機チェック編

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