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弊社独自開発中のスキャナカメラで撮った画像をご紹介

スキャナカメラとは

ラインスキャンカメラ(一般にスキャナカメラとも呼ばれます)は原理上、無限の画素数を持つデジタルカメラです。このカメラを利用すれば通常のデジカメでは撮影できないような大画面でかつ微細な部分まで写しこんだデジタル写真を撮ることが可能であり、微細な表現や大判印刷など色々な用途に応用できる可能性を持っています。弊社独自開発中のスキャナカメラも、屋外で5億7000万画素のサンプル撮影が出来るところまで開発が進みました。

*開発中のスキャナカメラで撮影した実際の写真の約10分の1の写真です。遠くの文字も鮮明に見えます。

スキャナカメラの仕組み

スキャナカメラにに使用されるイメージセンサ(撮像素子)は一般的なデジカメで使われているような長方形のエリアイメージセンサではなく、直線状のリニアイメージセンサです。リニアイメージセンサは同じサイズのエリアイメージセンサと比べて分解能が高いという長所がありますが、画素は数ミクロン程度の幅しかありません。当然そこから得られる画像も非常に細長い直線状の帯になりますから、これを使って二次元の画像を得るためには、ちょうど自動車のフロントガラスをワイパーで掃くような形で、この帯がレンズの結像面を横切るようにセンサを移動(スキャン)させながら撮影をする必要があります。

スキャナカメラの特徴

上記のような高分解能の撮影には、レンズの選択や振動の排除など多くの問題があります。通常のエリアセンサを使用するデジカメとの最も大きな違いは、一枚の画像の撮影にかかる時間が非常に長いという点です。一般的なデジカメでは数百分の1秒から数千分の1秒といった短い時間のうちに撮影が完了します。しかし、スキャナカメラは解像度の高さと引き換えに解像度と比例して撮影に数分から数十分という長い時間がかかってしまいます。このため撮影中に少しでもカメラや被写体が動くと、画像が変形したり色ノイズとなって現れるので、撮影環境と条件が整っていないと撮影を行うことが出来ません。しかしその特徴を生かした上でうまく応用すれば、驚くべき力を発揮する可能性を秘めたカメラがこのスキャナカメラです。

スキャナカメラの詳細

カメラとセンサー

スキャナカメラで実際に撮影を行っている様子が左下図です。 このセッティングは縦長画面の撮影ポジションになります。

スキャナカメラの内部にはカラーリニアCCDセンサー(右上図)のような直線状のセンサーが使用されていますが、上の例ではカメラ内部のセンサーが水平位置(画素が水平に並ぶ状態)となり、これが画像の横方向に相当します。 撮影時はセンサーを画素の並びに対して直角方向に(この例では画面の上から下方向に)向かって、ゆっくりと移動させながら撮影を行います。

*この画像はおよそ10000x13000ピクセルの撮影例です。リンクを閲覧するのには時間がかかります。非常にデータの容量が大きな画像になりますのでご注意ください。

カメラの内部動作

レンズからカメラに入った光はCCDセンサーによって電気信号に変換され、いったんセンサー内部に蓄積されます。 これは一般的なカメラで言えば「シャッターを切る」ことに相当します。 この蓄積の動作は非常に短時間のうちに終わります。 次にセンサー内部に蓄積された電気信号を順次読み出してパソコンに転送します。 この転送にはおよそ0.05秒かかります。 これで横方向に10,000ピクセル、縦方向に1ピクセルの非常に横長の画像の撮影が完了しました。 1ライン分の転送が終わったら、センサーの位置を1ピクセルに相当する僅かな距離だけ下に移動させ、再度1ライン分の撮影をします。 パソコン内部では、このようにして撮影された情報をひとつの画像にまとめながら、一連の動作を13,000回ほど繰り返すことでサンプルのような画像を得ることができます。

撮影にかかる時間と原理上の制約

縦方向に13000ピクセルある上の画像例では、画面上端のラインを撮影してから画面下端のラインを撮影するまでに、1ラインあたり0.05秒×13,000回=650秒の時間が経過することになります。 つまりこの1枚の画像は10分以上の時間をかけて撮影しているのです。

このように長い時間をかけて1枚の画像を撮影するという原理上の制約から、たとえば撮影中にカメラが動く、あるいは撮影の対象物が動いてしまうと、画像に変形が起きます。たとえばカメラが振動すると、画像は横幅全体に渡って波打ちます。この場合本来であればまっすぐな縦線であるべき部分が左右にギザギザになって写る結果になります。 振動に関しては、得られる画像が非常に高解像度であるため、たとえば屋外であれば風がカメラを揺らしたり、橋の上から撮影中に自動車が通過する程度の振動であっても影響を受けます。

カメラではなく撮影対象が風などで振動した場合は動いたものだけが二重にぶれます。 また自動車のように撮影中に大きく移動したものは、その方向や速度によって平行四辺形に歪んだり、上下方向に裏返しになったりします。


CCDセンサーでカラー画像を得るために、センサーには三原色に対応した微細なフィルターが装着されています。 動画用のCCDエリアセンサーではべイヤー(Bayer)配列と呼ばれるものが多く使われていますが、スキャナカメラで使用しているカラーリニアCCDセンサーは、帯状のカラーフィルタと千鳥配列のピクセルで構成されています。 この配列は静止した対象物を最大限の分解能で撮影するには適していますが、各色を別々のタイミングで撮影することになるため、動いた被写体は変形するだけでなく三原色の色ノイズが現れます。

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