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  2. デジタルライトの技術開発

高輝度LED光源の駆動

LED光源

LED光源は1993年に青色LEDが開発されてから照明用光源として注目され、開発が急速に進み、今ではプロジェクターなどの光源としてもハロゲンランプを凌ぐ高輝度LEDが実用化されています。今回はそのLEDの特長をハロゲンランプと比較しながら紹介し、点灯方法についても紹介します。

LEDの特長

LEDには長寿命、低消費電力など多くの長所がありますが、フィルムスキャン、テレシネの光源として以下が挙げられます。

可視光以外の光をほとんど含まない

熱を発生させる赤外線、退色の原因となる紫外線をほとんど含まないためフィルムなど熱に弱く退色し易い被照射物への照明に適しています。

多色

青色発光ダイオードが開発され、光の三原色が揃ったことにより原理的に全ての色を出せるようになりました。電球ではカラーフィルタを使って様々な色を得ることができますが、この場合カラーフィルタの光の吸収が大きく発光効率が良くありません。LEDを使えば赤、緑、青の3つLEDの組み合わせだけで連続的に色を変えることが可能で、フィルムの色補正を簡単に行うことができます。

長寿命

種類や用途によりますがLEDの場合数万時間、ハロゲンランプの場合は数十~数千時間と言われています。光源としてLEDを使用すればランニングコストを削減することが可能になります。

LEDの点灯方法

LEDの発光量は流れる電流に比例します。印加する電圧値で電流は変えることができるのですが、ハロゲンランプのように直接電圧を印加するのは実用的ではないばかりかLEDを破壊する恐れがありますので右図のような使い方はしないでください。

LEDの電圧‐電流特性

抵抗体Rの場合、電圧の変化に対して流れる電流は直線的に変化します(I=V/R、オームの法則)。これに対してLEDは半導体でありダイオードと同じような特性を持っていて(図1)、印加する電圧の僅かな変動で電流が大きく変化し、発光量も大きく変化します。また温度変化(図2)、固体バラツキも大きく同じ電圧をかけても想定した以上に大きな電流が流れ、温度上昇と電流増加を繰り返す熱暴走を起こして破壊することもあります。ハロゲンランプのような電球は温度上昇で抵抗値が上がり、電流は印加電圧の約0.6乗に比例します。従って電圧に対する電流の変化は緩やかで発光量も電圧で直接制御できます。

LEDの電流駆動

通常LEDを使う時は直列に抵抗Rを入れて電流を制限します(図3)。回路は直列なので流れる電流は抵抗にかかる電圧(電源電圧からLEDの電圧を引いた値)に対して流れる電流で制限されます(I=VR/R)。LEDに直接電圧Eを印加する場合に比べて同じ発光量(電流)を得るためには高い電圧が必要になります。この抵抗値を変えることによって発光量をコントロールできますが、温度変化、固体バラツキに対する電流の変化をLEDが破壊しないように抑えるには回路定数(電圧E、抵抗値R)を十分に余裕のある設計にする必要があります。さらに安定、安全に点灯させる方法としては電圧変動、温度変化に対して電流を一定に保つ定電流回路でLEDの電流を駆動することです(図4)。また高輝度/パワーLEDなどのように温度上昇が大きいLEDにはヒートシンクの取り付けなどによる熱対策が不可欠です。



発光量を変えるには電流を変えれば良いのですがLEDは流す電流によって色も変化します(図5)。 発光色を一定に保ったまま光量を変える手段としてPWM(Pulse Width Modulation)を用いた調光があり ます(図6)。これは周期的にSWをON/OFFし、LEDに流す定電流をON/OFFすることによりLEDを周期的に点灯、消灯させます。



LEDの応答は早いので人間の目が追従できないくらいの周期で点滅させることが可能で、点灯と消灯の時間の比率を変えることによって人間が平均的に感じる明るさを調整することができます(図7)。点灯している時の電流値は一定ですので色の変化はありません。周期としては人間の目が対象の場合は200Hz程度あれば十分と言われています。

デジタルライトのLED

デジタルライトでは高輝度LEDをフィルムスキャン、テレシネ用光源として順次導入中ですが、それに伴ってLEDの特長を活かし、それぞれの機器に応じた最適なドライブ、調光制御装置を自社開発、導入して品質改善に努めています。

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