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35ミリフィルムの歴史

私たちが「写真のフィルム」としてまず思い浮かべるのは、両側のふちに沿ってたくさんの穴があいた、この35ミリフィルムでしょう。 35ミリという呼び名はフィルムの幅がおよそ35ミリ(34.975mm)であることから来ていますが、このタイプのフィルムは一般向けの写真用として、また劇場公開される映画用として100年以上にわたって広く使用されてきました。

一般にはデジカメ以前の、フィルムカメラ用のフィルムとして馴染みのある35ミリフィルムですが、もともとは1890年代に映画用のフィルムとして誕生しました。フィルムのふちに沿って等間隔にあけられた穴を「パーフォレーション」と言いますが、当時の写真用フィルムはもっと幅広で、パーフォレーションも無い、単純なリボン状のものでした。 しかし映画を実現するにはとにかく長いフィルムが必要であり、しかもひとコマづつ正確にフィルムを送る必要があるので、コマの位置の基準としてパーフォレーションが必要だったのです。トーマス・エジソンやリュミエール兄弟が活躍した映画の黎明期に、彼らの映画用カメラがこのような35ミリフィルムを使用していたことが、後の35ミリフィルムの普及につながったと言われています。参考画像はこちら(外部サイトimage3参照)

-ひとコマのサイズ-

映画用として使われるとき、フィルムは通常、上下方向に走る形で使用されます。撮影されるコマの横幅は、フィルムそのものの横幅35ミリからパーフォレーションに使われる幅を引いた残りになります。縦方向のサイズは可変ですが、パーフォレーション4つ分というのが標準的な使用方法です。フィルム上の画面の大きさは、およそ18mm×24mm(縦横比3:4)になります。 1920年代まで、飾って楽しむような鑑賞に堪える画質の写真を撮影するには「乾板」(かんぱん)とよばれるガラスの感光材料を使用し、木製の大きなカメラを三脚の上に固定して撮影するのが普通でした。

もっと手軽に撮影できるロールフィルムを使ったカメラもありましたが、当時はフィルムの大きさが出来上がりの写真の大きさだったので、あまり小さなフィルムは普及しませんでした。 そのような時代に映画用の35ミリフィルムを流用した携帯に便利な小型のカメラが登場しました。そのなかでも傑作と言われているのがライカです。35ミリフィルムを映画と同じ使い方をしたのでは画質的に不利なので、ライカは映画の2コマ(8パーフォレーション)分をいっぺんに使い、フィルムは左右に移動させました。引き伸ばしにも耐えるレンズの優秀さや、機動力の高さを生かした報道カメラとして活躍したこともあってライカはたいへんヒットし、この形式が後の写真用カメラでは一般的となりました。今でもこのように35ミリフィルムの8パーフォレーション分を使って24mm×36mm(縦横比2:3)の画面を撮影する形式は「ライカ判」と呼ばれます。 ライカは高級カメラでしたが、その後も数多くの35ミリカメラが世界中で製造され、一般に広く普及しました。

ちなみに一般写真用の35ミリカメラでも、通常の倍の枚数の写真が撮れる「ハーフサイズ」という形式が流行したことがあります。これは35ミリフィルムを映画と同じように4パーフォレーションづつ使うもので、歴史的に見ればむしろこちらがフルサイズ、通常のライカ判カメラはダブルサイズということもできるでしょう。

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